What I see

なにを見て、どう思っているのか。

TOSHIKI KIDA

TOSHIKI KIDA
木田 俊樹

多読中
http://kida-journal.hatenablog.com/


ぼくのあんパンは、ルヴァンのあんパン

スポンサーリンク

DSC02303

数年前に、そういえば長野でスキー以外のことをしたことがないなとふと思った。小学生のころまで親がスキー好きだったため、よく連れられて長野に来ていた。ぼくの長野は、ほとんど白馬か志賀高原だった。それ以外の場所へ行きたいと思って、たどり着いたのが上田だった。

すぐに売り切れるあんパン

その年は松本に宿を取っていた。宿の近くのカフェで朝食をとりながら、店主に「上田に行こうとおもうんですが、どこかいいとこありますか」と聞くと、「上田のカフェのひとたちに聞いてみたら。上田に詳しいから。」と上田のカフェを紹介してくれた。それがNABOだった。到着して、早速上田について聞いたら、「ルヴァン」のあんパンは絶対に食べることと教わった。すぐにルヴァンへ向かい、あんパンを買った。噛みしめるほどに味わえる酸味の効いたあんパンに、ぼくは夢中になった。このときは知らなかったが、ルヴァンのあんパンはすぐに売り切れる。

 

次の年のゴールデンウィークは東京にいた。東京から帰るときに、ルヴァンのあんパンが食べたいなとおもって、急遽、上田を経由して滋賀へ帰ることにした。到着する時間が遅くなり、あんパンは売り切れていた。仕方なく、ほかのものを購入した。そのときの店員さんが、「あんパンはすぐに売り切れるんですよ」と教えてくれた。

ぼくのあんパンは、ルヴァンのあんパン

今年も長野へ出向いた。だったらルヴァンへ行くしかないとおもって、上田へ向かった。約半年前に聞いたことを思い出して、昼前の店に向かった。が、ない。あんパンがない。キョロキョロ探してもない。すると、店員さんが、「あんぱん?」と聞いてくれた。ぼくはすかさず「あんパン」と答える。すると、もしかして、「半年前の?」と聞かれ、「そうです」「いつ来るんかとおもってました」「家が滋賀なんですよ」「えーーー、琵琶湖」「それしかいわれれへん」「わたし島根なんですよ」「出雲大社」「そうなりますよね・・・」「実は焼き上がりが14時頃なんです」と、半年前に、「また来ます」とぼくが言ったのを覚えてくれていて、それから、いつ来るのか待っていたという。あんぱんが焼き上がるまでしばらく時間があったから、あんパンの取り置きを3つして、閉店の18時までに再び訪れる約束をした。17時30分ルヴァンに再び訪れた。取り置きしていたあんパン以外はやはり全部売り切れていた。しっかりあんパン3つを受け取った。「半年後に待ってます」「また半年後か1年後に来ます」と言って、店を出た。

 

最高のものを提供してくれるのは当然として、店内が整っていること、その店にあった親切な接客をする店が、ぼくは好きだ。ルヴァンはそういう店だ。あんパンはもちろんめちゃくちゃおいしい。だけど、ぼくが、ルヴァンのあんパンを語るのに欠かせないのは親切な接客があったからにほかならない。次は半年後になるか1年後になるか。ストーリーはひとがなくならない限り生きている。いや、語り継がれる間は、生き続ける。いや、語られていくうちに変容しながら生き続けている。ぼくにとってのあんパンは、ルヴァンのあんパン。あなたにとってのあんパンを見つけることが、これから大事だとおもうんです。物語のあるあんパンを見つけることが。