What I see

なにを見て、どう思っているのか。

TOSHIKI KIDA

TOSHIKI KIDA
木田 俊樹

Let's meet somewhere in the world
kida-journal.hatenablog.com/


まるも珈琲 in 松本

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壁側の、店内を見渡せるテーブル席に座った。店内は暗い、というより、明るすぎない。暖かい彩度。女性がせっせと働く。ピアノジャズが流れる。煙草の匂い。オレンジの電灯。名のない民芸品でしつらえた空間。黒い床が光を吸収する。ブレンドを飲む。甘いデザートとよく合う。客は小声で喋る。

 

谷崎潤一郎「陰翳礼讃」は、こう終わる。 「私は、われわれがすでに失いつつある陰翳の世界を、せめて文学の領域へでも呼び返してみたい。文学という殿堂の檐(のき)を深くし、壁を暗くし、見えすぎるものを陰に押し込め、無用の室内装飾を剥ぎ取ってみたい。それも軒並みとはいわない。一軒ぐらいそういう家があってもよかろう。まあどういう工合になるか、試しに伝統を消してみることだ。」

 

日常から、影がなくなったようにおもう。隠れている陰を探す、目に見えないものの中に。

 

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