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TOSHIKI KIDA

TOSHIKI KIDA
木田 俊樹

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寿司つばさ おいしく食べるために編集された寿司

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2015年10月、福岡でのこと

 

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夜7時に予約していた寿司屋へ。急いで小鹿田を出て、九州自動車道を北上して、5分前に、寿司つばさに到着しました。10月に北九州へ来たのは、おいしい魚を食べるためです。その目的のひとつが、北九州の創作寿司です。

 

江戸前が、酢飯に魚介などを合わせて握る握り寿司で、よく知る、想像したときに最初に思い浮かぶ、あの寿司なので、ご存知だと思います。創作寿司はというと、いろいろな工夫をこしらえ、驚きを演出する寿司です。粉末にした醤油がまぶしてある寿司を口に入れ、二口くらい噛んだころに、遅れて後味として醤油を登場させるといった具合に。口の中で、何層にも味が重なります。抜群です。ここで多くは語りません。食べに行ってください。あの感動は忘れらない思い出になるはずです。要予約です。

 

店には時計がなかったので、ただ食べることだけに、集中していました。カウンターに出された寿司を、眺め、手を出し、掴んで、口に運び、噛む、をゆっくりと繰り返す。写真を撮り忘れるくらいに。一緒に行った友人に、「今日は100点やったな」と言ったら、頷いていました。

 

そういえば、帰り際に、おしぼりのことを聞いたら、今治産とのことでした。暖簾をくぐって、席に座り、おしぼりを手にしたときに、キメの細かさと水分の多さによる重量の違い、つまり、僕らが普段目にする食堂に行ったときに出てくるナイロン袋に入れられてクルっと巻かれた温かいおしぼりとの違いに、「あれっ」と感じて、気になっていました。

 

手で触れ、食べ、嗅ぎ、体感したときに、「なんやろう」と感じたことに敏感になり、疑問を投げかける。そうやって、感じた違いを考察することが、「センス」を磨く上での通過儀礼のように思います。それがうまく言語化できなくても、その感触を、村上春樹の言うキャビネットに入れておきます。

 

料理を出す空間から、タイミング、もちろん料理自体にも、すべてのディテールが、計算され、編集されていることがわかります。創作寿司は、寿司をおいしく食べるために、編集された料理のようです。

 

結局のところ、おいしいものを食べるには、足を運ばなければいけない、と北九州の寿司屋は教えてくれました。これだから旅はやめられません。まだ見ぬ場所に行くことが楽しみです。